三津屋サイダー

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「さっき、大丈夫でした?」

昼休み、外でランチを食べた帰り、
オフィスビルのエントランスホールで突然後ろから声を掛けられて振り向くと
見覚えのない男性がにこにこと満面の笑みを浮かべていました。

ゆるやかなくせ毛に人の良さそうな笑顔。
着こなれたネルシャツとコットンのパンツ。

この人、誰だっけ?

記憶力と視力の悪い私は、常に業務で接する人でなければすぐに人の顔を忘れてしまいます。
一瞬の逡巡。

「さっきビルの前でつまずいてましたよね」

その事か!

ついさっき、携帯いじりに夢中で段差につまずいて危うく転びそうになっていたのを見られていたようでした。

突然見知らぬ人から話しかけられたことと、
恥ずかしい場面を目撃されていたこととできまりが悪くなって
曖昧な笑みを浮かべながら

「あ、見られてたんですね」

と言いながらえへへと笑い返しました。

ランチタイムを少し外した時間帯のため、エントランスホールには他に誰もいません。
エレベーターのボタンを押しながら、それ以上言うべき事も見当たらず少し黙ると、彼が口を開きました。

「橘さんですよね。僕、ハセって言います」

どうも知り合いではなかったらしい。
でもどうして私の名前を知っているんだろう?

「今、僕○○プロジェクトチームにいるんです」

「あ、そうなんですか」


○○と言えば、少し前に自分のプロジェクトチームとの合同企画を行ったばかりでした。


「私は××チームなんですけど、少し前に一緒に企画やらせていただきましたよ。えっと、そちらのリーダーはKさんで」

「ああ、Kさんね。そうだったんですね」

「はぁ」

記憶にはないけれど、その企画のキックオフMTGの中にこのハセさんとやらもいたのかも知れない。
と私は独り合点しました。
年は30前後、そしてこのラフな服装から察するに、派遣スタッフさんのように見えます。
おそらくKさんの部下なのでしょう。

エレベーターが着き、二人で乗り込みます。
二言三言の会話を交わしながら私は頭を整理していました。

その○○プロジェクトは、うちの会社の看板プロジェクトであり、
いわば社内でもっとも花形の部署という事になります。
いきなりその名前を出してくるなんてちょっと鼻につくなぁ。
何だろう。ナンパだろうか。

「それでは、私はここで失礼します」

彼より下のフロアでエレベーターを降り、会釈しました。

「おつかれさまです」

彼も引き続き人の良さそうな笑顔で返事をしました。


とりあえずデスクに戻ったら社員名簿で「ハセ」を調べよう、と私は考えていました。

その後に起こる展開なんて、この時は想像もせずに。

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めちゃくちゃ久しぶりですね!数ヶ月に一度見てましたが更新されて嬉しいです!

| URL | 2012-08-06(Mon)16:26 [編集]


コメントありがとうございます!
コメントをいただけると更新する意欲がわきますー。

改めて見返すと数年途絶えてたんですね…。
ブログは絶えていましたが、私の悪癖の方はまったく絶えることなく続いておりました(笑)。

橘 | URL | 2012-08-08(Wed)22:13 [編集]


コメント


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